太郎兵衛平 2015.9.28

たろべいだいら 2300m(富山県富山市)



丹沢山
太郎平小屋から雲ノ平を見る。

北アルプスの山に登る。山登りを始めて10数年になるだろうか。奥多摩、丹沢の山から始まり、山口県の山々、九州・四国の山々を登ってきたが、ついに念願であった憧れの地を踏む。以前、NHK-BS放送で内田アナウンサーと著名な女性登山家である田部井淳子さんが立山から雲ノ平を経て、槍ヶ岳、奥穂高岳からジャンダルムまで何日もかけて縦走をするという番組を見たことがある。その中で、「日本最後の秘境」と称される広大な雲ノ平から見る周囲の景色は素晴らしく、ニ人の感動した様子が描かれていた。その場面と「日本最後の秘境」という印象的な言葉が頭の中に残り、いつか雲ノ平に行ってみようと憧れを抱くようになった。

直前の乗船期間中に北アルプス行のコースをいろいろ計画していた。ついに1ヶ月とはいえ休暇期間が初秋の時期に重なることになり、北アルプス行を決行することにした。休みの期間が短いので日程は移動日を含め、1週間程度の期間でなければならない。いままで山行の経験を計画に生かさなければ・・・。マイカーで行くか、それとも鉄道とバスを利用することにするか・・・。いろんな計画が頭を駆け巡る。結局マイカーで中国自動車道、名神高速道、北陸自動車道を走り、富山県の折立から登ることにする。太郎平に至り、雲ノ平を回るコースは、少なくとも3泊4日かかり難度もかなり高かそうなので、今回はまずは入門コースとして黒部五郎岳に登り、その後薬師岳に、更に移動して日帰りで立山と、3つの日本百名山の登頂を目指すことにする。北アルプスデビュー、少し欲張りすぎだろうか。期待と少々の不安が頭の中を交差する。




初めての北アルプスの旅 - 1日目(9/27) 移動日 : 萩市・自宅 〜(中国自動車道・名神高速道・北陸自動車道)〜 石川県白山市・徳光PA

9月27日04:30起床、05:15自宅を出発する。日本海沿いに191号線を走り、島根県の益田から山間部に入り、07:45戸河内ICで中国自動車道に乗る。交通量は少なく快調に走る。平均時速90〜100kmを維持する。愛車のスズキエブリくんは期待に応えよく走る。中国自動車道から名神高速道を経て北陸自動車道に入る。海のような広大な琵琶湖の東岸を北上する。途中、彦根城や安土城跡の近くを通過する。退職し自由な時間が増えたらぜひ行ってみたいものだ。しかしこんなに遠くまで車で来るのは初めての経験だ。カーブが少なく平坦な北陸自動車を順調に走り、15:40石川県の徳光PAに到着する。建物の端のETC出口のそばのスペースに車を停め今日の車中泊の場所にする。

徳光PAのすぐ下は海水浴になっており、その先に長大な水平線が延びる日本海の風景が広がる。徳光PAを選んだ理由は、道路地図に温泉マークが記してあったからである。しかし周囲にそのような施設は見当たらないではないか・・・。高速道路を一旦下り、日帰り温泉に行くべきであったか・・・。幸いにもPAの休憩所にはコインシャワーがあり18:00まで使用できるという。早速100円硬貨2枚を投入し温水シャワーを浴びる。これから山の中に入ればしばらく風呂に入ることが出来ない・・・。PA内にはコンビニがありシャワーの後、夕食のおかずを買いに行く。おでんを買おうとしたがすでに売り切れていたので、かわりに鶏のから揚げを買う。穏やかな日本海に沈む夕日を見ながら晩酌を始める。最高じゃないか〜。これだから自称軽きゃんぱーの旅は止められないのである。車備え付けの炊飯器で1.5合の飯を炊いていたので、夕食はささやかながらお茶漬けだ。残りの飯はラップでくるんだふりかけ入りのおにぎりにして明日の朝食と昼食にする。

長時間の運転の疲れもあり21:00早々に寝袋に包まり眠りに落ちる。夜中、突然ドンドンドン・・・と地鳴りのように響く騒音で目を覚ます。どこのSAやPAでもある光景だが、そばに駐車しているトラックがエンジンのアイドリングを始めていたにである。駐車中はエンジンぐらい止めておけばいいのに・・・。たまらず車をPAの建物の正面に移動させ再び眠りに就く。


※ 萩(自宅) 〜 徳光PA 〜 折立までの走行ルート(走行距離 - 867km)


初めての北アルプスの旅 - 2日目(9/28) 石川県白山市・徳光PA〜折立登山口〜太郎平小屋


歩行距離 6.4km
所要時間 5時間10分
累積標高差 (+) 1028m  (-) 48m
コース 折立 09:15 → 三角点11:00 → 五光岩ベンチ12:35 →太郎平小屋14:25 

9月28日05:15起床、05:45徳光PAを出発し北陸自動車を東の方向に走る。眩しい朝日が正面に見える。広大な富山平野の右手のほうには、北アルプスの山々が見えてくる。西日本で見る山々よりもう一段高く、山々が覆いかぶさるような風景に感激する。富山ICで北陸自動車を降り、カーナビの道案内を折立登山口にセットする。国道41号線をしばらく南下し左折して間道を行く。道に迷った末、有峰林道の標識のある山道に入る。料金所で1800円を支払い有峰林道に入る。亀谷温泉を過ぎ、渓谷沿いの曲がりくねった道を上り高度を上げていく。周囲は深い紅葉がまざる森になる。有峰ダムに達する。昭和35年に完成した人造湖である有峰湖をせき止める。

08:50折立登山口に到着する。駐車場には50台ほどの車が停めてあるだろうか。富山県外ナンバーが目立つ。09:15十分に準備を整え出発する。駐車場の前の広いキャンプ場を過ぎ、すぐ先に薬師岳登山口(標高1356m)の標識があり、その向こうに山小屋のような休憩所とトイレがある。 休憩所横のブナの巨木がある登山道入口に入る。「遭難事故多発」と、いつものように「熊に注意」の注意書きに緊張する。鈴を鳴らしながら歩く。直ぐに樹林帯になり左に十三重之塔がある。1963年1月、薬師岳登頂を目指し豪雪と猛吹雪により遭難死した愛知大学山岳部員13名の慰霊塔である。ご冥福を祈り、気を引き締め歩き出す。ジグザグのブナ林の急登を登って行く。しだいに針葉樹が目立つようになる。小さい広場の木に有名な「アラレちゃん」の絵を見る。1869mの三角点に達する。丸太を切ったベンチあり視界が開け薬師岳と太郎平が見えてくる。周囲の紅葉真っ盛りだ。左手に剱岳らしき山が雲の合間に見え隠れする。ついに北アルプスに来たことを実感する。小岩が敷かれたガレぎみの樹林帯の道が続く。歩き難い。登山道は広くなり所々に木道が設置してある。森林限界を過ぎ、小岩が敷かれた石畳の道を上る。道の崩壊を防ぐため数メートルおきに丸太で石畳をせき止めている。豪雪で傷みやすく整備が大変ではないかと思う。左手に薬師岳を見ながら広大な尾根道を上って行く。気分は最高潮だ!

標高2196mの小ピーク「五光岩ベンチ」に達する。薬師岳の下に見えるもっこりとした岩峰が五光岩だろうか・・・。針葉樹がまざる森の紅葉がとても美しい。五光岩の下には滝が見える。ゆるやかな広い草原の中の道を上って行く。前方に太郎兵衛平が見えてくる。木道の階段を登りきり、13:25広大な太郎兵衛平の中央に建つ太郎平小屋に到着する。今日の宿泊地だ。小屋の前にはベンチがある。小屋の南方向には北アルプスの山々と憧れの雲ノ平が見える。自分の拙い表現力ではけして表すことのできない圧倒的な風景が目の前に広がる。今日の視界は最高で遠くの山々までくっきりと見える。ここが北アルプスだ!!何日も此処に居たい気分に駆られる。

太郎平小屋に入り早速チェックインする。俳優だったような?長身でイケメンの受付の人に山行予定を尋ねられ、1日目は黒部五郎岳に登り、再び太郎平小屋まで戻り、2日目に薬師岳に登って折立に下山すると伝える。しかし受付は、黒部五郎岳に登って帰るまでに通常10時間を要すると言う。日帰りは難しいだろうか・・・。いつものように気の向くまま急遽予定を変更し、黒部五郎岳の反対方向に下山し、3.5kmほど先にある黒部五郎小屋に泊まることにする。幸い黒部五郎小屋の予約をとれたので、1日延長して3泊4日の予定を組むことにした。

「ニッコウキスゲ」という名の4畳半の部屋を割り当てられる。ザックを部屋に置き、早速500円でビール(発泡酒)買い、小屋の前のベンチ座り周囲の景色を楽しむ。後から二人、相部屋になる登山者が到着する。しばらく部屋で山の話をする。一人は千葉県の銚子の近くから来た中高年男性、他の人は冒険家の雰囲気のある屈強そうな40代の男性である。足のかかとが擦り剥けるて痛々しそうだ。千葉の中高年は、自分同じように軽自動車の後部を寝床に日本全国を旅し、日本百名山のピークハント中心の山旅をしていうようだ。この前の旅では、20日間かけて北海道にある日本百目山の9座を全てを踏破したそうだ。他の冒険家は、新穂高温泉から山に入り穂高連峰と槍ヶ岳に登り、薬師岳を経て立山まで縦走するという。山登りのほかシーカヤックも漕ぐという本格派だ。装備が軽量そうでスピードを重視しているようである。夕食前に二人の男性を含む十数名の中高年女性の賑やかな一団が到着する。夕食時、食堂には、宿泊客が三十数名もいるだろうか。山の食事は美味しい。




丹沢山
15:40 北陸自動車道の徳光PA(石川県白山市)に到着する。
丹沢山
当日は徳光PAで車中泊する。
丹沢山
徳光PA
丹沢山
有峰湖と有峰ダム
丹沢山
折立の駐車場に車を停める。
丹沢山
広いキャンプ場の横を通り登山口へ。
丹沢山
折立バス停にある案内図
丹沢山
丹沢山
折立登山口から出発する。/ 気を引き締めて!!

丹沢山
登山口にある巨木

丹沢山
丹沢山
十三重の塔-
1963年1月に薬師岳で遭難した13人の愛知大学山岳部員を供養する慰霊塔。
丹沢山
丹沢山
太郎坂を登る。
丹沢山
針葉樹の巨木の森を上る。
丹沢山
・・・
丹沢山
目印になりそうな木
丹沢山
丹沢山
紅葉
丹沢山
丹沢山
三角点(1869.3m)付近のベンチ/ 立山・剱岳らしき山を見る。
丹沢山
小岩が敷かれた道を歩く・歩きづらい。
丹沢山
視界が開ける。
丹沢山
ポールが立っている。
丹沢山
振り返れば有峰湖が見える。
丹沢山
鍬埼山(289.7m)と思われる山が見える。
丹沢山
木道を歩く。
丹沢山
前方に薬師岳を見る。
丹沢山
右手後方に有峰湖を見る。

丹沢山
視界が開け左手には終始、大きな薬師岳が見える。

丹沢山
薬師岳・紅葉が美し。

丹沢山
五光岩だろうか・・・
丹沢山
五光岩?付近の滝を遠望する。
丹沢山
ヤマハハコ
丹沢山
広い登山道を行く。

丹沢山
薬師岳が大きい。

丹沢山
歩いてきた広い稜線を振り返る。
丹沢山
太郎平小屋はもうすぐだ。
丹沢山
太郎山方向の太郎平小屋を見る。
丹沢山
太郎平小屋前に立つ標識
丹沢山
太郎平小屋前から雲ノ平(中央)、水晶岳(左)を見る。

丹沢山
太郎平小屋前から黒部五郎岳と北ノ俣岳の手前のピークを見る。

丹沢山
丹沢山
太郎平小屋前から見る雲ノ平と北アルプスの山々。

初めての北アルプスの旅 3日目 黒部五郎岳 @ 2015.9.29 に続く




■ HOMEへ戻る

総合登山記録  山口県の山  中国百名山 九州百名山  四国百名山  日本百名山   関東の山 南アルプス 屋久島縦走    
航海記録  旅の記録  海の風景・ギャラリー  沖縄  山で見た花


Copyright(c)2014 軽きゃんぱー里山放浪記. all right reserved.